oversize shirt

独特な洗いざらした風合いの生地を使ったOVERSIZE SHIRT

ブランドローンチ以来、Tシャツのみだったトップスに新たなアイテムが加わる。

その名も「OVERSIZE SHIRT

名前はいたってシンプルだが、もちろんただオーバーサイズのシャツではない。
イメージしたのはヨーロッパの古着屋で見かける長年着こんだドレスシャツ。

それはすっきりとは見えるけれど、どこか抜け感のあるような、
カジュアルに見えるけれど、どこか上品な雰囲気を持っている。

「ドレスシャツとしては一軍の役目を終えたが、経年変化や少しくたびれたような風合いによって、プライベートで着るカジュアルシャツになった。」

そんなストーリーが思い浮かぶようなシャツを作りたかったという木村。

そのイメージにマッチする生地を見つけ、mù_の世界観に落とし込むために、 細かいディテールの足し引きを徹底的に考え抜くことで、「大人が着られる上品なオーバーサイズ」を表現するシャツが生まれた。

oversize shirt

-新アイテムにシャツを選んだ理由は?

木村:トップスがこれまでTシャツのみだったので、 ブランドの中でコーディネートを組んだ際にカジュアル感がどうしても強くなっていました。

そこで次に出すトップスは少し今までのイメージから変化を付けられるものをと考えていて、 スウェットなどもいいのですが、それだと雰囲気は若干変われど、 カジュアル感という部分では大きく変わらないなと。
今あるボトムのまた違った魅力を引き出すというか、カジュアル感を取っ払ったときにボトムがどう変化して見えるかっていうことを意識して、今回のシャツを作りました。

 

-生地はどんなイメージで探しましたか?

木村:どちらかというとドレスシャツっぽい生地を使いたいなと思っていたんですが、ただ単にフォーマルな生地を選んでしまうと堅苦しい雰囲気が出てしまう。
なので、ドレスシャツを長年着こんで、ドレスシャツの一軍としての役割は終えたけれど、プライベートでカジュアルに合わせるようになったシャツというのをイメージしました。

ヨーロッパの古着屋さんなんかでは結構そういった長年着こんだドレスシャツなんかも並んでいて、すっきりは見えるんだけれど、どこか抜け感があるというか、カジュアルとの親和性が出てきている感じなんですが、 実際にカジュアルに合わせるとどこか上品な雰囲気もあるんですね。
そういうストーリーが感じられるような、 リラックスした雰囲気と、でもどこか上品さも感じられる生地を探しました。

 

-実際に見つけた今回の生地の特徴は?

木村:もともとこのmù_というブランドをスタートするときからシャツは考えていたので、先ほど言ったようなイメージで生地は探していました。

今回使用する生地は、通常であれば生機(染色や加工をする前の布生地)を真っ白の状態にしてから色を入れていくという工程になるのですが、今回はこの生機の段階で生地を何度も揉みこむような加工を施してから染色に回しているので、 普通の製品洗い(縫製完了後の最終段階での洗い加工)のシワ感とは違う、独特の洗いざらし感が特徴になっています。

生地自体はタイプライターと言って、細い糸を高密度で平織りにしているもので、硬さやハリがあって上品なんですが、それを生機の段階で揉みこむことで、 コシがなくなり古着のような柔らかい風合いになります。

designer kimura

-柔らかいのもそうですが、手触りが独特ですね

木村:最終のワッシャー加工の際に、少し反発するような、独特の手持ち感が出るような薬品を使用しています。
これによってただ洗いざらしたようなラフな感じではなく、どことなく上品な表情を作りました。

 

-デザインの特徴は?

木村:これまでのアイテム同様に「大人が着られる上品なオーバーサイズ」というのが前提にあります。

身幅や着丈といった全体的なサイズ感は大きめに作っていますが、ただ単純に普通のシャツをXXLくらいのサイズ感にして、大きいですよという作り方はしていません。

大きく見せたい部分は大きくしていますし、だらしなく見せたくない部分は抑えめにしていて、更に足りない部分はディテールなどデザインで補足するといった様々な足し引きをしながら、オーバーサイズだけど上品でちょっと他にはないようなシャツに仕上げています。

oversize shirt

-様々な足し引きというのはどの時点で考えていくのですか?

木村:僕は基本的に手書きでデザイン画を起こすところからスタートするのですが、その時点でオーバーサイズの定義を満たしながら、どこを動かしたら上品に見えるかということを考えていて、デザイン画を描くのと同時にだいたいの寸法も入れています。
描いたものを見ながら、もう少しこの部分を削りたいなと思ったらデザイン画を修正しながら、寸法も同時に修正するという作業をしていて、それがある程度自分の中で固まったら、職人さんと話してプロトサンプルを作っていくという流れです。

これはこのシャツだけでなく、すべてそうですね。

 

-このシャツを作るにあたっての足し引きの要素を具体的に教えてください

木村:最近よく見るオーバーサイズっていうのは、身幅や着丈だけでなく、肩もすごく落としていて、ネック回りも大きめといったものが多いんですが、僕は袖幅、身幅、着丈の3ヶ所が大きければオーバーサイズを表現できると考えています。
その3ヶ所が決まれば、それに合わせて通常作る比率で他の部分も決まってきますが、それだとただ大きいだけのシャツになってしまうので、ここから上品に見せるための引き算をしていきます。

分かりやすいところで言えば、肩の位置、袖丈、首回りは大きいとだらしなく見えてしまうので、そこを上品に見えるよう調整していきます。

ただ、ここですごく重要なのが着心地です。

人間の体の作りや、動きのことを考えながら、全体のバランスを見て細かく調整しています。 

oversize shirt

-そこからデザインで補足しているところは?

木村:ここまでは言ってしまえば、 数字をいじってオーバーサイズのシャツを上品に見せる形を作っただけになるので、ここからブランドならではの個性をどう出していくかを考えます。

まず特徴的なのが大きな胸ポケットですね。

身幅は大きいんですが、肩幅や首回りはそこまで大きくしていないので、 逆を言えば胸周りがすっきりしすぎてしまう。
そこでこの胸ポケットを大きくすることで、視覚効果でインパクトを出しています。
もう少し言えばこの大きな胸ポケットに対して、小さめの襟を付けてあるのでそのギャップがより鮮明になっていますし、襟を小さくすることで肩の位置との距離感が広がって見えるので、実際の肩の位置はそこまで落としていなくても、ちょっと落ちている印象を与えることができます。

背中に関してもヨークをかなり低い位置にしていることで、少し肩を抜いて着ているようなルーズ感を作り出していますし、ヨーク下のインボックスプリーツによって裾に向かって広がっていくようなシルエットになっています。

 

-他にこだわったところは?

木村:この生地は少し透け感があるので、その透け感を面白みに変えられないかというところで、背中のヨークの内側に刺繍を入れて、透けて見えるようにしました。
この刺繡はmù_のロゴを、スポーツチームを模したようなデザインにしたもので、自分の中ではアクティブな要素として用いています。

上品なアイテムであるシャツに、このアクティブなロゴを透けて見えるように入れることで、「クリーンに見えるコーディネートをしていても、内面にはしっかりとアクティブな気持ちを持ち合わせていますよ」というのを表現しています。

あとは胸ポケットのところにワークシャツで用いるようなカン止めでロゴの刺繍を入れることで少しカジュアルな印象をプラスしました。

back logo

-改めてmù_のアイテムと合わせる際に気にした部分は?

木村:EASY TROUSERSで言えば、シンプルなシャツを合わせるとすごく上品になってしまうし、ただ大きいシャツだとバランスが悪くなってしまうので、 お互いの少し抜けた感じが調和するように細かい部分まで計算して作っています。

PIN TUCK DENIM TROUSERSと合わせると、正面から見たらスラックスのように見えるこのデニムの特徴がより強調されると思いますし、CLOWN PANTSで合わせるとよりカジュアルなシルエットにはなりますが、上品さを付け加えることもできると思います。

もちろんmù_のアイテムだけではなく、皆さんのワードローブにも馴染みやすいと思いますし、リラックスした着心地というのは意識しているので、ぜひ楽しんでほしいなと思います。

 

oversize shirt

 

OVERSIZE SHIRT

colour:WHITE
size:S/M/L/XL
price:¥26,400

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OVERSIZE SHIRT WHITE

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