木村がデニムの携わってきた年数は20年以上。その間に手掛けたデニムは、加工も含めると200を超える。そんな木村が、mù_でデニムを作るときに選んだのは、日本の生地だった。
見ためは無骨なのに、穿いた瞬間に驚くほど柔らかい。そのギャップを生み出しているのは、1950年代の精紡機で撚られた緯糸だ。古い機械が生む糸の緩みが、ヘビーオンスでありながら柔らかいという、相反する要素を一枚の生地に宿す。
そしてこのデニムには、もう一つの想いが込められている。
「今作っているものが、将来ヴィンテージになってほしい。」
木村はそう語る。
セルビッジという王道の製法をあえて外し、現代の機械と技術を使って作ることで、この時代にしか作れないデニムを目指している。
-デニムパンツの第二弾ですが、前作との違いから教えてください。
木村:前回のピンタックデニムトラウザースは、生地の柔らかさを活かしながら、比較的すっきりとしたシルエットで作りました。
今回はその逆で、ワイドなシルエットにすることで、この生地が持つドレープ性をより前面に押し出しています。体に対して生地が余る分、それが柔らかさとなって出てくる。
そういうデニムを作りたかったんです。
-この生地の特徴を改めて教えてください。
木村:緯糸に1950年代の精紡機で撚った糸を使っているんですが、古い機械で作った糸って、締まりが少し弱い傾向があって。
その特性を使うことで、生地自体はしっかりしているんだけど、通常のデニムよりも柔らかい風合いに仕上がるんです。
見た目は無骨なのに穿いてみると驚くほど柔らかい。そのギャップがこの生地の一番の特徴です。
-あえてセルビッジを使わなかった理由は?
木村:セルビッジはものすごく好きだし、価値のあるものだと思っています。
ただ、自分がデザインするってなったときに、今世界的にセルビッジが注目されているからこそ、あえてそこを外したかった。
セルビッジではなくダブル幅のデニムを使いながら、内側のロック始末にメローロックを採用することで、セルビッジのような脇の表情を現代的な技術で表現しています。
オマージュというか、リスペクトを込めた上で、新しい解釈でやってみようという感じです。

-「次のヴィンテージ」という発想についても聞かせてください。
木村:今ヴィンテージと言われるものって、作った人たちがヴィンテージになろうと思って作ったわけじゃないと思うんです。
実用的に作ったものが、時間をかけて受け継がれてヴィンテージになっていった。であれば、今この時代に現代の機械と技術で作ったものが、100年後にヴィンテージと呼ばれる可能性があるんじゃないかと。
あえてセルビッジという昔の製法ではなく、今だからこそできる作り方で作っているのはそういう想いがあるからです。
-色へのこだわりも教えてください。
木村:日本のデニムって、藍の中でも少しグリーンに触れるような深い色が多いんですけど、僕が好きなのはアメリカの王道的な、少し赤みに触れるような色合いで。
今回はその赤みのある青みを選びながら、でも軽くなりすぎないように深みも持たせています。
柔らかさや軽さは赤みで表現して、無骨な重厚感は色の深さで表現する。
その両方をひとつのインディゴの色の中に収めた感じです。
-最後に、このデニムをどう着てほしいですか?
木村:デニムって穿く人のライフスタイルによって色落ちの仕方が変わるじゃないですか。
膝の色落ちだったり、ひげのつき方だったり。それが偶然の中で生まれる必然で、そこが面白いと思っていて。
だからこのデニムも、長く穿き続けることで自分だけの表情になっていってほしいなと。王道ではないけど、その分唯一無二なものになっていくはずなので。

WIDE TAPERED DENIM TROUSERS
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size:S/M/L/XL
price:¥35,200
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