Clothes are made of fabric

私物の古着が纏うミリタリーの空気感を取り込みつつ、柔らかく立体的なフォルムへと昇華させた、渾身...
デザイナー木村は10代のころから古着に魅了されてきた。洋服をデザインするようになってからも、ワードローブには常に古着のアイテムがあり、彼が大きな影響を受けたカルチャーとともに、その独創的なクリエイティビティの源泉となっている。 今回のカーゴパンツも、ベースとなったのは木村が長年愛用してきたヴィンテージ。数サイズ大きめを選び、その「太さ」を楽しみながら穿き続けてきた一本だ。そのインスピレーションをもとに、緻密にディテールを設計し、立体的で丸みを帯びたシルエットを作り上げた。 ミリタリーの武骨さを活かしながらも、ヴィンテージのラフさとは一線を画す、どこか上品で柔らかい雰囲気を纏った、まさにmù_らしいカーゴパンツが完成した。 -どんな一着を目指した? 木村:愛用している70年代くらいのフランス軍M64というカーゴパンツは、あえてサイズを数段大きめに選んでいます。その太さがすごく気に入っているんです。ただ、全体的な太さはいいんですが、サイズも大きいから当然太くなくてもいいところに太さが出るんですよね。例えば、ウエストなんかはベルトでかなり絞らないといけなくて、そうするとヒップ周りがきれいに穿けない。これがもう少し上品に穿けたらなと考えました。数字では表せない自然な太さを出すために、生地の分量を360度に分散させて立体的なシルエットを作りました。 -生地のこだわり 木村:上品な雰囲気にしたいからといって、チノ素材やスポーティーな素材にするとどうしてもモードっぽくなってしまう。そもそもイメージしていた形はオーソドックスなカーゴパンツっていうところで、その王道なミリタリーという部分を表現するのに、素材もミリタリーで使われるバックサテンを使いました。 -バックサテンの特徴 木村:光沢があってフラットなサテン地の裏面を使っていて、サテンっていうのは朱子織とも言って、通常のツイルや平織りとは違い、わりと強度もある織り方なんですけど、裏面なので少し節が出るのが特徴で、ミリタリーの素材としてオーソドックス。染めに関しても硫化染料を使っているので、経年変化なんかも含めて、ミリタリーウェアらしい雰囲気が出ると思います。 -生地もデザインも一見すると王道のカーゴパンツということだが、どこで違いを出している? 木村:やっぱり穿いた時のシルエット。まず、太さでいうと今までうちで出してきたどのパンツよりも太くなっています。けど、ただ太いだけじゃなくて、僕がやりたかったのはその太さを360度立体的に逃がしながら、全体的に太いんだけど上品に見えるドレープ感や、生地の流れを表現したかったんです。最近のストリートっぽい作りだと、わざと横に広げてしまったり、横から見たときに極端に太く見えるみたいなのがミリタリーものには多いと思うんですが、それをいかに360度逃がしながら丸みを作り、太さを出していくかっていうところに対して、いろいろな操作をしました。なので、穿いたときに見えるシルエットとしては、どこか一か所で横に広がったり、縦に広がったりというのではなく、全体的に太さを分散させながら柔らかいワイドなシルエットを作っているというのが特徴です。 -そのシルエットを作るためにこだわった部分は? 木村:ウエストにはキックバックの強いゴムを使ったシャーリングを入れてます。ベルトで無理に締めなくてもきれいに収まり、ヒップが美しく見えます。それとカーゴパンツはカーゴポケットが特徴だと思うんですが、このポケットを拠点に生地が固まってしまうというか、ポケットが付いている太ももあたりでどうしても強制的に横に広がってしまいます。そこで、全体的にきれいな丸みを出すために、スリータックを入れているんですが、タック位置を脇に向けて段階的に広がるような入れ方をすることで、ウエストのシャーリングと相まって、ウエストから太ももまでの腰の自然な丸みが生きるように立体的で柔らかなシルエットを作っています。 あとは裾の部分ですね。通常のカーゴパンツだと、裾にドローコードを付けて、それを締めることで強制的な丸みを作るんですが、これは裾から逆方向に向けてタックを入れることによって、裾口は狭いんだけど、自然な形で丸みを帯びながら、柔らかく閉じるようにしています。 ポケットを起点にして、上は柔らかく広げる操作、下は柔らかく絞っていく操作をすることで、全体で見たときに極端に強制的に絞るのではなくて、自然な流れの中で丸みができるよう計算しています。 -丸みにこだわるのは? 木村:自分のモノづくりとして、人間の体の丸みや、体の動きを考えたうえでの着心地というのは重要視しているので、このパンツに限らずこだわっています。このカーゴパンツでいうと、スリータックを入れることで、横軸だけじゃなく、前後の膨らみも出てくるので、360度立体的な太さを表現できていると思います。 カーゴパンツに限らず、ニッカポッカなんかもそうですけど、横にガッと広がるものってわりと男っぽいというか武骨に見える。それはそれでもちろん好きなんだけど、このブランドの中で表現するときには、そういった要素を前面に押し出すのではなく、少し上品に見えるっていうことが大事で。今回で言えばミリタリーっぽさや太さっていうのはしっかりとありながらも、柔らかさや優しさっていうイメージをパターンの中に入れ込むことで、ちょっとした上品さを作り出しています。 -カラー展開について 木村:2色展開で、ひとつはピスタチオグリーン。前回、mù_lab.でやった同じ形のカーゴパンツ(PLEATED CARGO TROUSERS /...
私物の古着が纏うミリタリーの空気感を取り込みつつ、柔らかく立体的なフォルムへと昇華させた、渾身...
デザイナー木村は10代のころから古着に魅了されてきた。洋服をデザインするようになってからも、ワードローブには常に古着のアイテムがあり、彼が大きな影響を受けたカルチャーとともに、その独創的なクリエイティビティの源泉となっている。 今回のカーゴパンツも、ベースとなったのは木村が長年愛用してきたヴィンテージ。数サイズ大きめを選び、その「太さ」を楽しみながら穿き続けてきた一本だ。そのインスピレーションをもとに、緻密にディテールを設計し、立体的で丸みを帯びたシルエットを作り上げた。 ミリタリーの武骨さを活かしながらも、ヴィンテージのラフさとは一線を画す、どこか上品で柔らかい雰囲気を纏った、まさにmù_らしいカーゴパンツが完成した。 -どんな一着を目指した? 木村:愛用している70年代くらいのフランス軍M64というカーゴパンツは、あえてサイズを数段大きめに選んでいます。その太さがすごく気に入っているんです。ただ、全体的な太さはいいんですが、サイズも大きいから当然太くなくてもいいところに太さが出るんですよね。例えば、ウエストなんかはベルトでかなり絞らないといけなくて、そうするとヒップ周りがきれいに穿けない。これがもう少し上品に穿けたらなと考えました。数字では表せない自然な太さを出すために、生地の分量を360度に分散させて立体的なシルエットを作りました。 -生地のこだわり 木村:上品な雰囲気にしたいからといって、チノ素材やスポーティーな素材にするとどうしてもモードっぽくなってしまう。そもそもイメージしていた形はオーソドックスなカーゴパンツっていうところで、その王道なミリタリーという部分を表現するのに、素材もミリタリーで使われるバックサテンを使いました。 -バックサテンの特徴 木村:光沢があってフラットなサテン地の裏面を使っていて、サテンっていうのは朱子織とも言って、通常のツイルや平織りとは違い、わりと強度もある織り方なんですけど、裏面なので少し節が出るのが特徴で、ミリタリーの素材としてオーソドックス。染めに関しても硫化染料を使っているので、経年変化なんかも含めて、ミリタリーウェアらしい雰囲気が出ると思います。 -生地もデザインも一見すると王道のカーゴパンツということだが、どこで違いを出している? 木村:やっぱり穿いた時のシルエット。まず、太さでいうと今までうちで出してきたどのパンツよりも太くなっています。けど、ただ太いだけじゃなくて、僕がやりたかったのはその太さを360度立体的に逃がしながら、全体的に太いんだけど上品に見えるドレープ感や、生地の流れを表現したかったんです。最近のストリートっぽい作りだと、わざと横に広げてしまったり、横から見たときに極端に太く見えるみたいなのがミリタリーものには多いと思うんですが、それをいかに360度逃がしながら丸みを作り、太さを出していくかっていうところに対して、いろいろな操作をしました。なので、穿いたときに見えるシルエットとしては、どこか一か所で横に広がったり、縦に広がったりというのではなく、全体的に太さを分散させながら柔らかいワイドなシルエットを作っているというのが特徴です。 -そのシルエットを作るためにこだわった部分は? 木村:ウエストにはキックバックの強いゴムを使ったシャーリングを入れてます。ベルトで無理に締めなくてもきれいに収まり、ヒップが美しく見えます。それとカーゴパンツはカーゴポケットが特徴だと思うんですが、このポケットを拠点に生地が固まってしまうというか、ポケットが付いている太ももあたりでどうしても強制的に横に広がってしまいます。そこで、全体的にきれいな丸みを出すために、スリータックを入れているんですが、タック位置を脇に向けて段階的に広がるような入れ方をすることで、ウエストのシャーリングと相まって、ウエストから太ももまでの腰の自然な丸みが生きるように立体的で柔らかなシルエットを作っています。 あとは裾の部分ですね。通常のカーゴパンツだと、裾にドローコードを付けて、それを締めることで強制的な丸みを作るんですが、これは裾から逆方向に向けてタックを入れることによって、裾口は狭いんだけど、自然な形で丸みを帯びながら、柔らかく閉じるようにしています。 ポケットを起点にして、上は柔らかく広げる操作、下は柔らかく絞っていく操作をすることで、全体で見たときに極端に強制的に絞るのではなくて、自然な流れの中で丸みができるよう計算しています。 -丸みにこだわるのは? 木村:自分のモノづくりとして、人間の体の丸みや、体の動きを考えたうえでの着心地というのは重要視しているので、このパンツに限らずこだわっています。このカーゴパンツでいうと、スリータックを入れることで、横軸だけじゃなく、前後の膨らみも出てくるので、360度立体的な太さを表現できていると思います。 カーゴパンツに限らず、ニッカポッカなんかもそうですけど、横にガッと広がるものってわりと男っぽいというか武骨に見える。それはそれでもちろん好きなんだけど、このブランドの中で表現するときには、そういった要素を前面に押し出すのではなく、少し上品に見えるっていうことが大事で。今回で言えばミリタリーっぽさや太さっていうのはしっかりとありながらも、柔らかさや優しさっていうイメージをパターンの中に入れ込むことで、ちょっとした上品さを作り出しています。 -カラー展開について 木村:2色展開で、ひとつはピスタチオグリーン。前回、mù_lab.でやった同じ形のカーゴパンツ(PLEATED CARGO TROUSERS /...

"By continuing to wear them for many years, the...
mù_lab. is an experimental attempt that delves deeper into Kimura's unique ideas than the regular mù_ items. The product being announced this time is the fourth in the series, "...
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Kimura wanted to create "stylish slacks" within...
This time, I wanted to create an item called slacks within the brand mù_, so although the fabric is soft, I deliberately did not want the drape to be apparent,...
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The GREYSCALE COLLECTION expresses Kimura's spe...
When we started mù_, it was important to follow the world view of LOOPÉ, so we came up with items along that line, but now I felt like adding some...
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An oversized shirt made from fabric with a uniq...
"Although it has outlived its role as a dress shirt, its aging and slightly worn appearance have made it into a casual shirt to wear privately." Kimura said he wanted...
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"Although it has outlived its role as a dress shirt, its aging and slightly worn appearance have made it into a casual shirt to wear privately." Kimura said he wanted...

The laboratory's name, mù_lab., is launched.
By processing fabrics, I have made many interesting items, and I am also good at transforming fabrics, including my ideas. We named it mù_lab. as it was a slightly experimental...
The laboratory's name, mù_lab., is launched.
By processing fabrics, I have made many interesting items, and I am also good at transforming fabrics, including my ideas. We named it mù_lab. as it was a slightly experimental...